Windows ユーザーのための pLaTeX ガイド


Windows ユーザーのための pLaTeX ガイド(略称:pLaTeX Guide) とは,

などについて Windows 環境を前提として解説したものです。ただし,本書で記述している操作を行ったことに伴ういかなる結果に対しても保証しません。

PDF ファイルの閲覧には,Adobe Acrobat Reader 6.0.1 などが必要です。Get Acrobat Reader

現在は,DVI による配布を行っていませんが,今後 DVI により配布された場合,以下を入手し正しくインストールしておく必要があります。


以下は,pLaTeX Guide の HTML簡略版です。知りたい情報がない場合は,上記の TEST版をご利用ください。


pLaTeX Guide (HTML簡略版)

pLaTeX とは

組版ソフト TeX

TeX(plain TeX) は,Stanford 大学の元教授 Donald E.Knuth 氏よって開発された数式の組版に卓越した組版プログラムです。また,LaTeX は,DEC(Degital Equipment Corporation,現在では Compaq Computer 社が吸収) の Leslie Lamport 氏によりマクロ強化された TeX です。さらに,AMS(American Mathmatical Society,アメリカ数学会) により数式関係のマクロを強化したものが,AMS-LaTeX です。

LaTeX2e とは,TeX3に対応した新しい LaTeX です。現在,単に LaTeX といえば LaTeX2e を指し,古い LaTeX は LaTeX 2.09 とよぶことになっています。

TeX(LaTeX) の日本語化は,株式会社アスキー と NTT によってなされました。アスキーによるものは pTeX ( pLaTeX ) とよばれています。p は publishing を意味し,本格的な商業出版に絶えられるよう開発されたもので,縦書きにも対応しています。また,NTT によるものは NTT JTeX (NTT JLaTeX )とよばれています。

以後,ここでは,これらを総称して TeX とよぶことにします。

TeX の特徴

TeX の特徴として,

などを挙げることができます。

TeX を用いた処理過程

TeX による原稿の入力から出力までの過程は,次の通りです。

  1. 原稿の入力(input)
    エディター(editor)により,数式出力や文字修飾などのための \ で始まる様々な コマンド(command)を書き込みます。拡張子 tex のファイルとして保存します。これをソースファイル(source file)といいます。
  2. タイプセット(typeset)
    これが,TeX の仕事です。入力されたコマンドをもとに組版を行います。これをコンパイル(compile)するとか,TeX にかけるなどといいます。コンパイルの途中でエラーが出た場合は 1 に戻り,ソースファイルを修正します。コンパイルに成功したら,拡張子 dvi のファイルができ上がります(dvi は, DeVice Independent に由来)。
  3. プレビュー(preview)
    できあがった DVI ファイルの印刷イメージをプレビューア(previewer)により確認します。必要に応じて,1 に戻ります。
  4. 出力(output)
    プリンタードライバー(printer driver)により,プリンターから印刷を行います。FAXなどへの出力も可能です。

したがって,TeX の他にエディター,プレビューア,プリンタードライバーが必要です。

Windows版pTeX の入手先

現在,Windows 版の TeX といえば,近畿大学の角藤亮(かくとうあきら)氏により Win32 に移植されたものが唯一といってもよいでしょう。いわゆるWin32 版(角藤版 pTeX3.1.3)です。

Windows95/98/Me の MS-DOS プロンプト(DOS 窓),WindowsNT/2000/XP の コマンドプロンプト の LFN(Long FileName) に対応しています。Win32 application ですから,DOS では動作しません。

少々バージョンが古いですが,以下に挙げる市販書籍(CD-ROM 付属)からも入手できます。

[補記]


LaTeX 関連ソフト

LaTeX

pTeX

pTeX 自身については,先ほど触れました。ここでは,TeX のシステムに含まれる METAFONT, METAPOST, mendexk, dvipsk について簡単に解説しておきます。

METAFONT/MetaPost

METAFONTは,Knuth 氏によって開発されたフォント作成プログラムです。また,MetaPost は,John Hobby 氏によって開発された図形作成プログラムです。文法などは METAFONT とよく似ていますが,METAFONT が GF フォントを出力するのに対し METAPOST は EPSF(Encapsulated PostScript File) を出力します。

mendex

mendex は,索引を作成するためのプログラムです。mendex は MakeIndex の上位互換プロ グラムで,読みの指定方法や辞書の利用などで改良されています。

dvips

DVI ファイルを PS ファイルへ変換するプログラムです。

dvipdfm

Mark A. Wicks 氏による DVI ファイルを PDF へ変換するプログラムです。現在の角藤版では,平田氏による日本語化パッチを当てたものが配布されています。

各種パッケージ

AMS-LaTeX,graphics,tools などの package は CTAN(Comprehensive TeX Archive Network) ミラーからどうぞ。国内では,会津大学大阪大学理化学研究所IIJ などにあります。


dviout for Windows

dviout for Windows は,東京大学の大島利雄(SHIMA)氏によるフリーの DVIware です。DOS 版の dviout/dviprt と比べ,大幅に機能がアップしています。DOS 版 dviprt の機能も内臓されています。dviout for Windows の 正式版は Ver.3.15です。 テスト版はこちらにあります。

AFPL Ghostscript + GSView

Ghostscript, GSView は,PS/EPS ファイルを表示・印刷するためのソフトです。最新版は,Ghostscript 8.13 と GSView 4.3 です。角藤さんによる日本語化された Ghostscript gs813w32full.exe と CTAN のミラーサイトから gsv45w32.exe を入手してください。

Susie / Susie Plug-in

Susie は,takechin 氏による画像表示ソフトです。Susie はもちろんのこと dviout においても,各種 Plug-in を用意することにより,様々な形式の画像が表示・印刷可能となります。現在,正式版は Ver.0.47b です。

Adobe Acrobat / Adobe Acrobat Reader

Adobe Acrobat は アドビシステムズ株式会社から市販されているソフトで,PDF ファイルを編集,閲覧する Adobe Acrobat と PS/EPS ファイルなどを PDF ファイルに変換する Acrobat Distiller から成ります。HyperTeX specials の埋め込まれた TeX ファイルを PDF ファイルに変換するには,pdfTeX がありますが,これは欧文専用です。そのため,一旦 dvipsk により PS ファイルにした後,Acrobat Distiller を用いて PDF ファイルに変換する方法が採られています。このような必要がある方は, 入手されるとよいでしょう。

一方,Adobe Acrobat Reader は,PDF ファイルを閲覧するためのソフトで,同社から無料で提供されています。 Get Adobe Acrobat Reader から入手できる他,雑誌の付録に付いています。PDF 形式で配布される(TeX 関連の)ドキュメントもありますので,最低でもこちらは入手するとよいでしょう。


その他の関連ソフト

エディターとマクロ

秀丸エディタ

秀丸は,斉藤秀夫氏によるシェアウェア(4000円)です。最新版は Ver.4.04 です。

マクロは,

などがあります。

Meadow

Meadow は,Multilingual enhancement to gnu Emacs with ADvantages Over Windows の意だそうです。

mule for Win32

mule for Win32 は,UNIX で有名な mule2.3 を Winodws へ移植したものです。これは宮下 尚(himi) 氏によるもので,現在 Ver.1.22です。これが最終バージョンとなるそうです。
マクロは,

などがあります。

MIFES for Windows

MIFES は MEGASOFT による市販ソフトです。最新版は,Ver.6.0。マクロは,

などがあります。

WZ Editor for Windows

WZ は,株式会社ビレッジセンターから発売されている市販ソフトです。Ver.5.0。 DOS 用エディタとして有名な VZ の後継版と言いたいところですが,残念ながらVZ とのマクロの互換性はありません。
マクロは,

などがあります。

xyzzy

xyzzy は

MMエディタ

テキストエディタQXは,宮崎嘉明(Miyamiya)氏によるシェアウェア(4000円)です。最新版は,Ver.7.17 です。
マクロは,

などがあります。

テキストエディタQX

テキストエディタQXは,新井健二(araken)氏によるシェアウェア(3000円 or 1000円/年)です。最新版は,v6.8 です。
マクロは,

があります。

less

これはエディターではなく,ファイル閲覧ソフトです。less は,ベクターにて複数紹介されています。

DVIware

dviout for Windows

dviout for Windows は,東京大学の大島利雄(SHIMA)氏によるフリーの DVIware です。DOS 版の dviout/dviprt と比べ,大幅に機能がアップしています。DOS 版 dviprt の機能も内臓されています。dviout for Windows の 正式版は Ver.3.15です。 テスト版はこちらにあります。

DOS 版 dviout/dviprt

dviout for Windows の登場により,DOS 版の dviout/dviprt を使う必要性は薄れてきています。最終バージョンは Ver.2.43.2 です。

WinDVI

WinDVI は OS/悟氏によるシェアウェアです。PS ファイルの張り付けや縦書きに対応していませんが,その一方では OLE(Object Linking and Enbedding) に対応しており Excel などのグラフをそのまま張り付けることができます。最新版は,Ver.1.10 です。なお,次の述べるインプレスの WinDvi とは別物です。名前が似ていますので,ご注意ください。

WinDvi(PRO)

WinDvi は,株式会社インプレスより発売されている TeX for Windows に付属の DVIware です。WinDvi は PK フォントに対応していませんが,別途販売されている WinDviPRO では PK フォントが使えます.

図形・画像関連ソフト

MetaGraf

MetaGrafは,MetaPost用図形作成エディタであす。MetaPost形式で出力しますので,MetaPost により EPS へ変換できます。

WinTpic

WinTpic は,堀井氏による図形やグラフを tpic specials コマンドで出力してくれるソフトです。最新版は Ver.3.08 で極形式やパラメータ表示にも対応しています。

Ngraph for Windows

Ngraph は,石坂 智氏によるグラフ作成ソフトです。現在の最新版は Ver.6.03.20 です。

インストールについては,Ngraph for Windows のインストール(正岡和子さん)もご覧ください。

また,外部ドライバを用いると,Ngraph の出力する GRA 形式のファイルを PS/EPS, eepic などの形式に変換することが可能です。以下,これらの外部ドライバの紹介をします。

gra2psPostScriptファイル,あるいは -e オプションにより EPSフ ァイルを生成する外部ドライバです。
Ngraph download にある ned6313b.lzh に含まれています。
gra2eepw斉木功氏による eepic.sty 用外部ドライバです。Ver.0.9b です。
GRA2AI 平沢英明氏による Adobe Illustrator(R) 3 形式の外部ドライバです。AWK version 1.00 です。
GRA2AI の出力は Illustrator3 形式ですが,一部の制限付きで MayuraDraw (PageDraw) でも取り込めるようです。

なお,DOS 版と Windows 版では,出力される GRA 形式が異なります。このため gra2tpic など DOS版 Ngraph に対応しているものは,Windows 版 Ngraph に対して使うことができません。

GNUPLOT

Gnuplot +

Gnuplot 3.8 日本語化・機能拡張パッチ

Gnuplot は,2次元および3次元のグラフを描画できるソフトです。PS/EPS, tpic special, eepic, picture 環境などの形式でのファイル出力が可能です。日本語ヘルプは,gnuplot のページ (Takeno Lab) にあります。

gnuplot の使い方として,山森一人(やまもりくにひと)氏による見やすいグラフを作るためにがあります。

Plots32

Plots32 は,科学用2次元グラフ作成アプリケーションです。Plots32(Version 1.26以降)が出力した plv ファイルを通じて,グラフイメージを EPS ファイルに変換する plv2eps もあります。Plots32(Version 1.26以降)から起動もできます。Plots32 の開発は終了したようです。同様の(?)ソフト Topaz の開発に移行しているようです。

Function View

和田啓助氏によるグラフ表示ソフトです。BMP 形式での保存が可能なので,TeX での利用も出来るでしょう。実教出版から『FunctionView 徹底活用』(本体1,143円+税)という書籍が発売されています。これを購入すれば限定バージョン fvpro415 (web からダウンロードできます)を利用することが出来ます。フリーソフトに比べて印刷機能や画像ファイル保存機能が充実しています。

Visual Tabular

Visual Tabular は,SIMON/杉浦崇之氏によるフリーソフトです。表計算ソフトの感覚で表を作成することができます。Excel など表計算ソフトからの貼り付けも可能です。

Excel2LaTeX

Excel2LaTeX は,中尾 誠氏による Excel の表を LaTeX 形式に変換する Excel のアドインです。同様のものに高橋健司さんが作られた XLS2TeX や eino 氏による Excel2TeX があります。

Word2TeX

Word2TeX は,Chikrii SoftLab による Word の文書を (La)TeX 形式に変換する Word の add-on です。

TeX2Word

TeX2Word は...

Quick Note

Quick Noteは,半 WSYIWSG が可能な LaTeX 補助ツールです。図形やグラフを書くことも可能です。図形やグラフは,picture 環境, epic ,tpic special へのそれぞれに変換可能です。98専用なのが残念です。Ver.6.12 および 6.12->7.03 の差分が NIFTY で公開されています。

Qfig

LaTeXfig

OLETeX

OLETeX は,TeX で作成した数式などを OLE に対応したアプリケーションに張り付けようというソフトで,小倉信彦氏によるものです。詳しくは

をご覧ください。

jpeg2ps

jpeg2ps ほか(藤波さん) jpeg2ps utility

統合ソフト

WinShell

EasyTeX

Akasha for Win

Akasha for Win は,井谷 誠氏による LaTeX 用エディターです。コンパイラーやプレビューアを 呼び出す機能も持っています。

LabEditor

LabEditor は,斎藤卓也さんによる TeX 用テキストエディタです。コンパイラーやプレビューアを 呼び出す機能も持っています。

TeX Editor

TeX Editor は, 小松原 将人さんによるコマンド補完型の TeX エディタです。コンパイラーやプレビューアを 呼び出す機能も持っています。

WinTeX2000

TeX専用エディタL'ecrivain(れくりばん)

MathNote

数式専用エディタ。TeX 形式の出力も備わっている。

展開ソフト

拡張子が lzh, zip, tgz などのものは,ファイル容量を押さえるためそれぞれの形式で圧 縮されたファイルです。これらのファイルを展開するには,それぞれの圧縮形式に対応した展開ソフトが必要になります。窓の杜などから様々なソフトが入手できます。以下は,私が使っているものの紹介です。

Explzh for Windows

Explzh は,鬼束裕之氏による LZH , ZIP, TGZ など様々な圧縮形式に対応したアーカイブルールです。最新版は,Ver.3.74 です。なお,unlha32.dll, unzip32.dll tar32.dll など各種 DLL が必要です。各種 DLL は,Common Archivers Library から入手可能です.

Lhasa

Lhasa(らさ) は竹村嘉人 (たけちん) 氏による展開専用ソフトです。LZH , ZIP 対応です。DLL を必 要としないのが特徴です。最新版は,Ver.0.17 です.

+Lhaca

+Lhaca(らか)は村山富男氏によるもので,竹村嘉人(たけちん)氏による Lhasa(らさ) と同等の操作性を持たせながら,機能拡張をしたものです。DLL 不要で,また,LZH,ZIP,CAB,TAR など多くの形式に対応しています。展開のみでなく,圧縮機能も持っています。最新版は Ver.1.18 です。

WinLM99

WinLM 99 は,柳 直樹氏による圧縮書庫メンテナンスプログラムです。最新版は,Ver.1.06 です。LZH,ZIP,TAR など様々な圧縮形式に対応しています。WinLM32 とは異なりエクスプローラライクな作りになっています。根来 研(悪魔のアン)氏 と共同で開発した高機能ファイラーである WinFM2000 ,悪魔のアン(根来 研)氏による WinFM32,石田健仁氏による本家 DOS 版 FILMTNLHMTN もお奨めです。

printer driver

主要メーカーのプリンタードライバーの入手先を列挙します。(Alphabet 順)


TeX 関連リンク

全般的

CTAN

pTeX

インストール関係

HyperTeX

VFlib/FreeType

Virtual Font

PostScript(*->EPS,PSfrag,PSTricks)

画像関係

LaTeX → HTML

TtH

Package/sty file/macro

文字鏡

GTfonts

漢文マクロ

babel,外字,補助漢字,ttf2pk

MusiXTeX + PMX

MusiXTeX とは,Daniel Taupin 氏の作った TeX の楽譜作成用マクロ,フォントで,MusicTeX を改良したものです。
PMX は MusiXTeX の入力支援プログラムです。Preprocessor for MusiXTeX の略だそうです。

Ghostscript + GSview

METAFONT / MetaPost

マニュアル

その他

フォント

gnuplot

LyX

プレゼンテーション関係

dviout

Prosper

TeXpower

PPower4

PPower4は,dvipdfm で PDF を作成したあとに用いる ポストプロセッサーです。

slides.cls , seminar.cls

slides.cls → seminar.cls → prosper.cls と改良されたと考えて良いか?

関連サイト

Tgif

その他,TeX のページをもたれている方々は,池内義典氏によるTeX 関連リンク集または奥村晴彦氏によるTeX 関連リンク(国内)からどうぞ。


相互リンク


FAQ

コンパイル

大きなソースファイルを処理すると TeX 容量不足となる

texmf.cnf において,pool_size を大きくしてみてください。pool_size の変更だけなら,format file を作りなおす必要はありません。

大量の画像を張り込むとエラーとなる

画像を大量に張り込もうとすると

! LaTeX Error: Too many unprocessed floats.

とエラーが出ることがあります。これは float (figure環境やtable 環境) が溜まりすぎて処理できなくなるためです。適当なところで \clearpage または \cleardoublepage を使って float を吐き出して下さい。

dviout

起動時に最大化したい

dviout をどのように起動しているかにより,対処方法が異なります。

デスクトップ上にあるのショートカットから起動する場合

ショーカットを右クリックし,[プロパティ(R)] → [ショートカット] → [実行時の大きさ] で [最大化] を選んでおきます。

エクスプローラから DVI ファイルをダブルクリックで起動する場合

最大化と同じ大きさにしておいてから,[File] → [Quit] 以外の方法で終了すると,次回に引き継がれます。なお,この方法は真の意味での最大化ではありません。

TeX MAC から起動する場合

これについては,pLaTeX Guideで紹介します。

袋とじ印刷をしたい

印刷ダイアログボックスで Unite 2 pages as [|] を on にすれば,袋とじ印刷が可能です。内蔵 dviprt による印刷の場合,用紙サイズを推測してくれますが,Windows による場合は Setup から手動で設定する必要があります。

数式で[]が表示される

インプレスから発売されてる TeX for Windows に付属の cmex10.ttf を旧来の方法で使用した場合などに起こる現象です。PK フォントを使う設定にするか,新しい方法で cmex10.ttf を使うと解決します。詳しくは,dviout のヘルプの [欧文TrueTypeフォント] の項を参照してください。

最近では,新しい方法でも [WinJFont] の code type のミス等でこの現象が発生しています。乙部氏によるTrue Type フォントもご覧ください.

スタイル/マクロ

余白の設定をしたい

\textwidth や \oddsidemargin などを設定してください。

タイトルページにページ番号が出力される

\pagestyle{empty}

を指定しているにもかかわらず,タイトルページにページ番号が出力されます。これは \maketitle の定義中で \thispagestyle{plain}(jarticle では \thispagestyle{jpl@in}) が定義されているためです。\thispagestyle{empty} を追加すれば解決できます。

ダブルスペース

setspace.sty の \doublespacing コマンドを用いるとよいでしょう. doublespace.sty(doublespace.sty.diff) というのもあります.

複数行にわたる下線を引きたい

複数行にわたる下線を引くためには,

などを用いる方法があります.

下線の種類を変えたい

\underline コマンド(縦組みでは \kasen コマンド)で作成される通常の下線を波線や二重線などに変更したいことがあります。まず横組みの場合は,Donald Arseneau 氏による ulem.sty を用いると良いでしょう. 通常下線は \uline,二重下線は \uuline ,波線は \uwave ,取消線は \sout の各コマンドで実現できます。このほか,いくつかのコマンドがありますが,ulem.sty をご覧ください。

次に,縦組みに対応したものとしては,藤田眞作氏による tnamisen.sty があります。これを用いると,二重線,波線をそれぞれ出力する \miginijusen ,\miginamisen コマンドが使用できます。また,tundline.sty で定義されている \tundline コマンドでは,複数行にまたがる下線を引くことも, また文字の左側に出力することも可能です。TeX/LaTeX Applications by Shinsaku Fujitaから入手できます。

横組,縦組みの両方に対応したものとして,みなも氏による udline.sty もあります(@nifty FTEX LIB 9)。これを用いると,太線,太波線,一点鎖線なども可能となります。

図表の回りに文字を回り込ませたい

図表の回りへの文字の流し込みを実現スタイルファイルは, wrapfig.sty, wrapflot.sty, picinpar.sty など多数存在します。これについては,ここでまとめていますので,ご覧ください。

複数行にまたがって文字列を配置するには

一般には,\raisebox を使えば可能ですが,multirow.sty を使用することもできます。CTAN から入手できます。あるいは,藤田氏による \uchinuki コマンドを使うこともできます。

表に斜線を引くには

slashbox.sty または epicslbx.sty を使えばよいようです。前者は安岡孝一氏によるものをtDB 氏が縦組みに対応してくださっています。また,後者は須藤真己氏によるもので,slashbox.sty では項目の大きさが不自然になる事があり,これに対処したそうです。@nifty システム手帳(PIM)フォーラム(FPIM)の4番ライブラリ151番がそれです。

図表と caption との間隔を変更するには

図表と caption との間隔は \abovecaptionskip および \belowcaptionskip の値を変えることで変更できます。図表の下に caption を付けるときは前者を,上に caption を付けるときは後者を変更します。例えば,jarticle.cls では

\newlength\abovecaptionskip
\newlength\belowcaptionskip
\setlength\abovecaptionskip{10\p@}
\setlength\belowcaptionskip{0\p@}

と定義されています。

表で脚注が使えない

tabular 環境内で \footnote コマンドを使った場合,脚注番号のみの出力になります。このような場合,一般的には \footnotemark および \footnotetext というコマンドを使いますが,tabularx 環境や longtable 環境では \footnote コマンドが使えます。あるいは,ftn.sty を読み込めば tabular 環境でも脚注出力が可能となります。ただし,いずれの場合も table 環境で囲むと,やはりうまくいきません。

Adobe Acrobat

起動時のデフォルトを変更したい

[ファイル] → [環境設定] → [一般] → [デフォルト倍率] で設定できます。ただし,[ファイル] → [文書情報] → [開き方の設定] → [倍率] での方が優先されるので注意が必要です。

Acrobat Distiller

ps ファイルから変換の際,画像が荒くなる

例えば,ジョブオプションが CJKScreenOptimized の場合,[設定] → [ジョブオプション] → [圧縮] でカラービットマップ画像などの解像度が 72dpi とデフォルトでは低いためです。これを 300 などとすればよいでしょう。他のジョブオプションでは,デフォルトは 300 とかになっていますので画像は荒くなりません。


スタイルファイルの紹介

このページでは,いろいろなパッケージ・クラス/スタイルファイルを紹介します。

すでにスタイルファイルの名前がわかっていて, それが CTAN にある場合は 以下から入手してください。

CTAN

後半のリンクは検索に役立ちますが,通常の検索エンジンも利用できるでしょう。

以下は,主に CTAN 以外の個人で公開しているスタイルファイルの紹介ページです。

スタイルファイルの紹介は,スタイルユースや技術評論社の LaTeX スタイル・マクロポケットリファレンス も有名です。重複しているものもあるかも知れませんが,以下列挙します。

はがきクラスファイル

履歴書スタイル

解答を別にする方法

その他スタイルファイル

PAD     pad.sty
花文字 calrsfs.sty mathrsfs.sty
花文字をpLaTeX2e上で利用する
TeXで図を書こう(kpic.sty)eclarith.sty の拡張
caption.sty 図表のcaption の体裁を変える
特定のページの用紙向きを変える        portland.sty
最終ページも入れて x/Total とする     nofm.sty
草稿時のlabel                         showkeys.sty
特定位置                              at.sty
コメント                              comment.sty,version.sty,verbatim.sty
数式にリーダー                        doteqn-f.sty,dot-eqns.sty,藤田眞作,tDB
キーボード                            keybox.sty
枠 p.70(11.7)
15.3
上下ブレースを併用                    ovudbrac.sty(8.5),oubraces.sty
化学反応式                            chemtex.sty, dchem.sty (8.9)
長いcaption を改行しindentする        hanging.tex と hangcaption
木構造                                ecltree.sty,tree.sty,trees.sty,eclclass.sty

脚注の4つの新環境                   footnote.sty
各ページで番号を reset               footnpag.sty
各行に番号                           lineno.sty
章ごとの目次                         minitoc.sty
図,caption の回転                    lscape.sty (in graphics package), rotating.sty, rotfloat.sty
余白に \label のラベルを出力         showlabel.sty
floatfig.sty の改良版                floatflt.sty
フロートを使わず caption を出力      capt-of.sty
(表・図目次へも出力する)
文章の最終 page を参照する           lastpage.sty
図表で \footnote を使用可能にする    stblftnt.sty

参考文献

書名をクリックすると,サポートページへ移動します。

[1]TeX ブック 改訂新版Donald E.Knuthアスキー出版局
[2]LaTeX Leslie Lamportアスキー出版局
[3]文書処理システム LaTeX2eLeslie Lamportピアソン・エデュケーション
[4]METAFONT ブックDonald E.Knuthアスキー出版局
[5]The LaTeX コンパニオンアスキー出版局
[6]日本語 LaTeX2e ブック中野 賢アスキー
[7]TeX by Topicアスキー出版局
[8]pLaTeX2e for windows Another Manual Vol.1
Basic Kit 1999
(*)
乙部厳己 + 江口庄英ソフトバンク
[9]pLaTeX2e for windows Another Manual Vol.2
Extended Kit
乙部厳己 + 江口庄英ソフトバンク
[10]Ghostscript Another Manual江口庄英ソフトバンク
[11][改訂版] LaTeX2e 美文書作成入門(*)奥村晴彦技術評論社
[12]第2版 楽々 LaTeX野寺隆志共立出版
[13]今度こそ AMS-LaTeX野寺隆志共立出版
[14]LaTeX 自由自在磯崎秀樹サイエンス社
[15]LaTeX スーパー活用術嶋田隆司オーム社
[16]LaTeX2e 階梯藤田眞作アジソン・ウェスレイ・パブリッシャーズ・ジャパン
[17]続 LaTeX2e 階梯・縦組編藤田眞作アジソン・ウェスレイ・パブリッシャーズ・ジャパン
[18]pLaTeX2e入門縦横文書術藤田眞作アジソン・ウェスレイ・パブリッシャーズ・ジャパン
[19]LaTeX マクロの八衢藤田眞作アジソン・ウェスレイ・パブリッシャーズ・ジャパン
[20]LaTeX 本づくりの八衢藤田眞作アジソン・ウェスレイ・パブリッシャーズ・ジャパン
[21]日本語 LaTeX2e インストールキット中野 賢 × 淺山 和典 × 内山 孝憲 共著アスキー出版局
[22]LaTeX スタイル・マクロポケットリファレンス今井泰之 + 刀祢宏三郎 + 美吉明浩技術評論社
[23]DVIOUT/DVIPRT Ver.2.43.2 Technical Guide
[24]LaTeX2e トータルガイド伊藤和人秀和システム
[25] これだけでできるLaTeX実践活用ガイド (*)海上 忍+黒川弘章技術評論社
[26]LaTeX2e数式環境 嶋田隆司株式会社シイエム・シイ 発行,
シーブック24ドットコム株式会社 発売
[27]LaTeX2e [マクロ&クラス]プログラミング基礎解説 ページ・エンタープライゼズ株式会社 著技術評論社


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http://www9.oninet.ne.jp/ohishi/tex/index.html